top of page

7月8日の編集人コメント

「4. 先進テックによって旅行は “メモリー産業”」で、AmadeusITグループの企業戦略担当上級副社長であるWolfgang Kripsが、『・・・私たち(旅行会社)は思い出を作っている」と言う。そして『・・・旅行の未来は、まったく旅行せず、基本的に思い出だけを作ることになるかもしれない。それは明らかに遠い未来になるだろう。それはあなたがそこに行かないので、持続可能性やオーバーツーリズムなどに関する多くの問題を解決するだろう。・・・」と面白いことを言っている。

 

なんだか、ありそうに聞こえる話だ。旅行仲介業者を否定するようなこの発言は、多分にジョークの意味合いを含んでいるようだが、将来のテクノロジーが人間の5感全てに対応するバーチャルな目的地体験を可能にすれば、全く荒唐無稽な話ではなくなってくる。

 

このテックの話よりももっと印象に残ったのが、「旅行は“メモリー産業”」であると言う発言である。この発言は、世界最大の旅行会社であるTUIのCEOが、「あなたたちは、お客様に生涯記憶に残る素晴らしい思い出を販売しているのだ・・・」と、社員に対して目に見えない旅行商品販売の難しさと、その要諦を教えていることを思い出させてくれた。

 

「18. 日本の大手クレジット発行会社、旅行スペースに参入」は、三井住友カードが、旅行フィンテックにも精通しているグローバルOTAの米Hopperと提携して、新たに旅行業に参入すると言っている。

そして「19. カーニバル・サウスウエスト・バイター・・・、アマゾン販売」が、AmazonがAmazon Prime Day(7月16日=17日)で旅行商品の特別販売を実施すると報じている。

 

Hopperのニュースは、たったクレカ会社1社との提携、Amazonのニュースは、たった2日間のタイムセールであるけれども、自分は、日本市場にさらに2隻の黒船が到来してくると読んだ。

旅行ハイテックに強い外資黒船船団がやってくれば・・・、多くの技術的負債を抱えている日本旅行産業は大丈夫か?

 

「4.」の記事で、旅行技術サブスク スペシャリストCaraveloのCEO Úrizは、『・・・あなたは非常に速く行かなければならない、さもなければあなたは取り残されるだろう。あなたがAI革命かであれ何であれ、それに飛び乗らなければ、他の人があなたを追い越すだろう。・・・』と言っている。

 

2015年に設立されたTravelPerkが、シカゴに本拠を置く競合他社のAmTravを買収し、2つのブランドの独自の技術と人工知能機能の統合に支えられ、米国最大の法人管理旅行社になるという記事(「8. TravcelPerk、AmTrav買収して北米展開加速」があった。この記事は、『・・・1月、TravelPerkは、Softbank Vision Fund 2が主導するシリーズD1延長資金調達ラウンドで1億400万ドルを調達し、同社を14億ドルと評価させた。・・・』と言っている。

 

ソフトバンクも外資の旅行会社に投資している。

(編集人)

bottom of page