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2024年 1月第3週 の 編集人コメント

 

今週もAIの話が続く。「4. 旅行(トラベル)は生成AIプラットフォームへの移行を介した旅(ジャーニー)だ」と「10. 旅行業界の幹部たち、Rabbit AIエージェントデバイスに反応」は、どちらも旅行のAIパーソナルアシスタントについてレポートする。

 

4. 旅行(トラベル)は生成AIプラットフォームへの移行を介した旅(ジャーニー)だ」のニュースでは、過去50年間におけるメインフレーム→PC→WWW→スマホ→生成AIというように、15年毎に大きなプラットフォームシフトが起きてきたと指摘。そしてこれから到来すると予想される「生成AIシフト」では、自然言語を理解し、ユーザーの代わりにアクションを実行するAIエージェントの活躍を予想する。

2024年1月、Las Vegasで開催された世界最大のテックイベントCESでは、新デバイス「Rabbit AI」が発表された。「たまごっち*タイプ」と形容されるこのデバイスは、ユーザーがRabbitを教育する(世話をする)ことができる Teach Modeという革新的な機能を搭載している。

*たまごっち=1996年にバンダイから発売された時計機能付きのキーチェーン型電子ゲーム機。キャラクターの名前でもある。小さな液晶画面の中でキャラクターの世話をし、どんどん成長させていくというもの。

10. 旅行業界の幹部たち、Rabbit AIエージェントデバイスに反応」は、そのRabbitについてさらに詳しく解説する。旅行の専門家たちは、Rabbit AIの旅行分野への応用については、やや懐疑的な見方を示しており、「スマホを駆逐することは不可能だ」との意見が大勢を占める。彼らは、予約プロセスの自動化は行えても、ホテルなど旅行サプライヤーの評価が出来ないので、ユーザーはAIエージェントを完全には信頼しないだろうと指摘する。また、Rabbitの開発者が、なぜソフトウェアに留まらず、ハードウェアまで作ってしまったのかに疑問を呈している。彼らは、どうせGoogleやAppleが、Android やiOSにAIエージェントの機能を統合するはずだと言う。

 

日本経済新聞 1月13日朝刊の「AI大競争時代 CES2024 (上) 『AI生活革命』幕開け」では、2024年には“どこでもAI”、2025年以降には “万能AIの時代” がやって来ると予想する。そして「・・・ポケットに入るAI秘書のようだ。ロサンゼルスが拠点のRabbitはAI搭載の小型端末が話題となり、先行販売の初日に予約注文が殺到した。話しかけると配車や飲食店を予約する。・・・ボストン・コンサルティング・グループによると、生成AIを使った関連市場は2027年に1,210億ドル(約17兆円)と23年比で約7倍に拡大する。驚異的な進化を遂げるAIを制御し、革新と安全を両立できるか。まだ答えは出ていない」と伝える。(許諾番号 30102808)

 

RabbitのようなAIエージェントには、これからどんどん新機能が付け加えられていくだろう。そしてTeach Modeのような機能によって時間をかけて学習し、進化していくため、Rabbit自体の成否はさておき、これから旅行への応用のユースケースも急速に増えていくと考えられる。

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