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2024年 3月第5週 の 編集人コメント

6. ホテルが空間を収益化するための技術革新」が、『スペースを最大限に活用することは、増収に直結する』と言っている。このニュースは、ベッド(宿泊)だけでなく、駐車場、リモートワーク(デイユース)、スパ、ヨガのクラスなどにも、ホテルの施設をクロスユースやアップセルして有効活用しろと提言する。これは、航空会社のアンシラリー販売と同様の販売戦術である。狭い航空機のキャビンとは異なり、ホテルの施設は大規模であるため、この施設を最大限に使わない理由が全く見当たらない。

つまり、「スペースから最大の収入を稼ぎ出せ」と、当たり前のことを言っている。

航空会社は、航空機のスペース(床面積)から、最大限の収入をあげようと努力する。そのため、クラス別の座席数の配置(コンフィギュレーション)を最適化している。

ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの3クラスのクラス別のスペースをどう按分して配置するか?また各クラスの座席数を何席にするか。座席の設計をどのようにするか?横に何列配置するか(広胴機のエコノミークラスでは最大10列(10アブレスト)、足の置き場(レッグルーム)を含めて座席の縦の長さはどうするか?ギャレーやトイレをどのようにするかなど、コンフィギュレーションを決定するパラメーターは山ほどある。

コンフィギュレーションは、航空会社の収入管理のベースとなる。最近は、ビジネスクラスにフルフラットのベッド兼座席を導入し、採算性の悪いファーストクラスをなくしている航空会社が増えている。言わずもがなであるが、座席をたくさん装着して搭乗旅客の快適性を損なえば、元も子も無くなってしまう。

 

カジノでは、賭博場のフロアに配置するギャンブル台の台数とその配置、そしてゲームの種類を最適化している。いずれもスペースの最大限の活用を意図しているものであり、これは収入管理の基礎の基礎である。

 

ホテルだって、各種の客室(スイート、デラックス、畳の間などの)をどのように配置するかが問題となる。それに加えてアンシラリープロダクトのレストランやバー、スパやジム、屋内プールなどをどうするか、最適化を図るのは大変で難題だ。

 

話はちょっと変わってしまうが、昔、航空会社に勤務した時代、ホテルのデイユースはいわゆる「連れ込み」客たちに使われているという話を聞いた事がある。しかし現代の客室のデイユースとか、あるいは時間貸しは、リモートワークなどの健全な用途に使われている。

 

6. ホテルが空間を収益化するための技術革新」のニュースを読んで、スペースと収入管理の切っても切れない関係を再確認させられた。

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