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2024年8月第2週の編集人コメント


Expedia Group新CEO のAriane Gorinが、彼女の初舞台となった第2四半期決算説明会をリードした。堅実な第2四半期決算と短期レンタルVRBOのバウンスバック(立ち直り)を宣伝しつつ、7月の「旅行需要の軟化」についても警告し、同社は今年の見通しを引き下げた。


13. Expedia Group、第2四半期上昇、旅行需要鈍化警告」に触発されて、Expedia Group(EXPE)の財務諸表を読み解いて、それをBooking Holdings(BKNG)と比較してみた。

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特徴点は次のとおりである。

  • BKNGの業績がEXPEを大幅に上回る。

  • 業績を反映し株価は、BKNGが年初来 “上げ基調” であるのに対し、EXPEは値を下げている。

  • 株価を反映して、時価総額はBKNGがEXPEを6.7倍[上1] [HU2] 上回る。

  • BKNGの株価は、同社の自社株購入プログラムによる大量の金庫株保有によって、株価が維持されている可能性がある。

  • BKNGの宣伝費は、収入比で35%に対してEXPEは59%。

  • BKNGは、1Qより配当を開始した。

  • BKNGの米国販売シェアは12%、EXPEは63%、EXPEの世界販売が弱い

  • BKNGのブランドは、Booking.com、Priceline、Agoda、Kayak、OpenTableと少数。

  • EXPEのブランドは、Expedia、Hotels.com、travelocity、ebookers、CheapTickets、CarRentals.com、Expedia Cruisesと多岐にわたる。

  • EXPEは、マーチャント販売*モデルが主流(第2四半期決算では収入の69%)。

  • BKNGは、エージェンシー販売モデル*中心であったが、最近はマーチャント販売が多くなっている(第2四半期決算では収入の59%)。

  • EXPEは、多岐にわたるブランドを横断的にカバーするロイヤリティプログラムOne Keyを開発している。

  • EXPEは、アフィリエートプログラムなど強力なB2Bを展開している。

  • BKNGでは、シームレスなE2E(エンドツーエンド)の旅行計画とその手配を完結させる「コネクテッドトリップ」戦略が進行中。

  • BKNGは、航空販売強化のために eTraveli買収を試みているが、欧州委員会競争法規制局より阻止されている。

 

*マーチャント販売 = 卸値で宿泊施設などサプライヤーより商品を直接仕入れ、それにマークアップをつけて売り出す販売手法。会計上は、予約時点で売り上げが仮計上され、チェックイン時点で収益が立つことになる。その間は、流動負債として貸借対照表の貸し方に「繰延マーチャント予約」として計上される。この対語が、エージェンシー販売である。

*エージェンシー販売 = サプライヤーがつけた販売価格で売りに出す販売方法で、仲介する旅行代理店には予約旅客のチェックイン時点で手数料が支払われる。

 

 BKNGの第2四半期決算については、8月第1週「12. Booking Holdings、代替宿泊成長とソーシャルメディア成功」を参照

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