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​1月6日の週の編集人コメント

 

今週は、生成AIの旅行への応用に関する4つの記事が、読み応えがある。

 

2. Wall Street Talk:オンライン旅行代理店のためのAIの機会」は、生成AIの旅行への活用で、最も恩恵を受けるのは "BIGだ" と指摘する。

大きなプレイヤーたちは、生成AIによって、おそらく誰よりもコストを削減し、生産プロセスを合理化する。そして活用できるデータ量のおかげで、収益増も可能にすると言っている。

 

3. AIエージェント、中抜きでなくてスーパーチャージOTAs」は、AIエージェントの台頭により、旅行流通が民主化されOTAが中抜きされて、サプライヤー直販の黄金時代が到来するという期待が高まっているが、実際には既存の市場構造が強化される可能性が高いと言う。

AIエージェントの普及がOTAの力を削ぐどころか、むしろその支配力を強化する可能性があると言うのだ。

 

9. デルタ、デジタル・アシスタントで未来を垣間見る」は、デルタ航空が、世界最大のテクノロジー見本市CESで、“Delta Concierge” のAIエージェント(デジタル・アシスタント)計画を発表したと伝える。シームレスでパーソナルな旅行体験を提供するという。ライドシェアーの Uber や、エアタクシーの Joby とも提携して、マルチモーダルで “コネクテッドトラベル” を提供する計画だ。

 

デルタは、NDCの導入に際しても、他のメジャーとは違って規模の大きなオムニチャネル戦略を執っており、GDSサーチャージは導入せず、一部運賃のGD非表示も行なっていない。NDCを使って、コスト削減よりもサービス多様化に標準を当てている戦略だ。今回のDelta Conciergeも、この戦略と付合する。Delta Conciergeを改革すると言っても、直販を最優先することでもなさそうだ。

 

5. 旅行新興企業投資の新時代」は、旅行のスタートアップたちが、過去2年間の劇的な資金不足を乗り切って、回復するのが間近に迫っているという。そして、生成AIの自律型エージェントが、旅行予約ファンネル全体に革命を起こす準備を整えているという。

 

最初の2つの記事は、「2」ではBIGがさらにBIGになる、「3」ではOTAの支配力がさらに強化されるという。インカンバント(既存企業)有利説である。

後の2つの記事は、「9」のデルタとデジタルアシスタント計画と、「5」のスタートアップ投資の新時代は、AIの恩恵を受けるのは、前者の2つの記事とは正反対に、サプライヤーとスタートアップたちだと言っているように思える。

前者と後者が、異なる展望を述べているようで興味深い。

(編集人)

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