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2月28日の週の編集人コメント

 

「5. 米国旅行者、宿泊計画と予約の方法」が、PhocuswrightのU.S. Consumer Travel Reportを紹介している。その中で、米国のレジャー旅行者の

多くは、特定の目的地を決めてから具体的な旅程の計画を開始するようだ(10人に6人近く)。しかし残る3分の1は、どこに行きたいのかを決めることをできかねていると言っている。そして目的地を選定できていない人たちは、宿泊施設の良し悪しとかその価格が、目的地の決定に影響を与えると言っている。

 

目的地を決めかねている人たちは、彼らのパーソナルな旅行のウオンツとかニーズをはっきりさせていないのだから、ただ漠然と旅行に行きたい、日常から逃避したい、と思っているだけのだろう。そういう彼らには、前からくどくどと述べさせてもらっている「旅行者のパーソナリティに基づく旅行の提案」などできないことになる。

したがって、3分の1の(米国レジャー)旅行者に対しては、“パーソナライゼーションは旅行ブランドの重要な差別化要因” となはならないことになる。このレポートは、そんな人たちに対しては、宿泊施設が目的地選定の重要なファクターになるという。

金科玉条、パーソナル、パーソナルと声高に叫んでいた自分が情けない。

 

短期レンタルの予約サイトSavvyのCEOのインタビュー記事「11. CEOスポットライト:SavvyのEric Coldreyer」で、このCEOは、「AIは旅行業界にどのような影響を与えると思いますか?」の質問に対し、

「(AI)エージェントがいると思います。そして、あなたはGoogleに行かないでしょう。そして、あなたはSavvyや他のオンライン旅行代理店(OTA)の1つに行くこともあるでしょう。あなたはあなたの(AI)エージェントに行くでしょう。そして、その(AI)エージェントは外に出て、あなたが探しているものに基づいてあなたに最適な特別販売の商品を見つけるでしょう。ですから、企業はAPIを通じてこれらのツールを統合して、ゲームに参加できるように準備する必要があると思います」と答えている

 

同じようなことを、大手OTAのCEOたちが「19. オンラインジャイアンツ、マーケティングに178億ドル消費」の中で述べている。彼らは、巨額のパーフォ―マンスマーケティング(Expedia のCEOは、paid marketing と言っている)を減らすために、AIエージェントに活路を求めるという。

このニュースの中の「コストパークリック(cost-per-click)からコストパーエージェンティック(cost-per-agentic)検索への、移行の可能性を見出す人もいます」と言う。CPCからCPA・・・まさに絶妙の表現だ。

 

絶妙な非表現とは言わないまでも、「8. 英国航空、70億ポンド変革プログラムで技術進歩に対応」の中に、気に入って印象に残る表現があった。

このニュースは、英国航空がITインフラストラクチャに7億5,000万ポンドの投資を行うと伝える。そしてこの会社のCCO(chief commercial officer)がこう言っている。「・・・お客様が望むものを提供することは、今やとても重要です。当社の既存のプラットフォームは、お客様の要件を満たしていません。誰もが現代の小売業で得られる経験を求めていますが、既存のシステムではそれを提供できませんでした。私にとって、私たちの投資の大部分は、お客様に旅のコントロールを与えることです。お客様のニーズを満たすには、オンラインで100%サービスを可能にする( 100% serviceability online)ことが必要です。それがお客様の期待であり、お客様の要求です」と。

だから航空会社は、Amazonのモデルになるべく近づけるためにNDCを導入している。

 

関連記事として「9. 航空会社の2024年IT支出370億ドルに」があった。

(編集人)

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