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2025年 4月第2週 の 編集人コメント

 

以下の4つのAI関連ニュースが必読だ。

 

4. AI が、洞察とアクションの間のギャップを埋める方法」が、AIは、特に初期段階では「自動化」より「拡張」型の導入が効果的であるといっている。そして、拡張と自動化(augmentation and automation)を区別することは、有用な最初のステップだという。拡張とは、AIを使用して既存のワークフローやプロセスを強化し、多くの場合、実在の人物と同期することである。自動化とは、これらのプロセスが完全にAI [モデル]にアウトソーシングされ、人間の関与を最小限に抑えたい場所だという。

AI導入が目的ではなくて、何のためにそれを導入するかをしっかり考えなければいけない。当たり前の話だが、AI化は目的でなく手段なのだ。

 

また、CRMやAPIと連携させることで、部門横断的にシグナルを共有し、業務効率と連携を向上させる。専門パートナーとの協業により、目的に応じた最適なAIモデル選定と素早い導入が可能と解説する。

(この記事は、AI駆動の販売と顧客サービスAIntensifyのCEO兼共同創立者が書いているので、「専門パートナーとの協業」というのは、多分にセールトークに聞こえる。だからと言って、この手の記事は、軽視することはできない情報を提供する。)

 

先週の「3. 旅行エージェントからAIオペレーター、成長続ける航空検索トラフィック」が、航空券1枚の販売に対する検索回数(L2B)は、現在の2万回から生成AIの普及で20万回に達する可能性があると指摘しているので、API接続される側にも、AI検索してもらわなければならないので、それ相応の工夫が必要となる。

 

細かい話で恐縮だが、L2Bは数式で表せば、販売(予約)数 ➗ アクセス数

となる。コンバージョン率(CVR)は、販売(予約)数 ➗ アクセス数 と全く同じである。にもかかわらず呼び方が異なる。「視点」(使う人)と「用途」(目的)が誓うからだ・

L2Bは、サーバー負荷、API最適化、コスト管理、すなわち効率のコスト感覚

CVRは、サイト改善、広告効果測定、すなわち「何%成功したか」の感覚

と整理される。

11. AI とビジュアル検索が旅行発見方法をいかに再構築するか」旅行のきっかけは昔からビジュアルが重要で、現在はAIと画像認識技術により「見るだけで検索・予約」が可能になってきた、と伝える。
Google LensやCircle to Searchなどの視覚検索が急成長し、若年層の主流手段になっているそうだ。MarriottやLandfolkなども、言葉ではなく「感覚や雰囲気」で宿泊先を探せるAIツールを導入。Videreoは旅行動画を解析して即購入できる「ビジュアルコマース」に進出と、画像検索のツールが増えている。
課題は動画UXの未整備と偽画像リスクだという。目に見えない「コト販売」の旅行商品は、今後は「見る→探す→予約」が主流となり、視覚検索は旅行テックの中心になりそうだ。ChatGPTに具体的な方法を尋ねたら、以下の4つを回答した。

① Google LensやCircle to Searchを使う場合(スマホでの例)

  • Google Lens

(1) スマホで気になる建物や風景の写真を撮る、または画像を表示する

(2) Google LensアプリやGoogleフォト内のLens機能でその画像を選ぶ

(3) 画面に表示される場所の名前や関連リンク(観光情報・ホテル)を確認

(4) 必要に応じて、そこから予約サイトに飛ぶ

  • Circle to Search(Google PixelやGalaxyなど対応端末)

    1. SNSやウェブ上で気になる動画や画像を見つける

    2. 指でその部分を「囲む」「タップする」などの操作

    3. 自動でGoogle検索が実行され、場所や商品情報が表示される

② Daisy(Landfolkの例)

  • 特定の場所や建物の名前を入れる代わりに、
    「こんな気分の場所がいい」「この景色で目覚めたい」など、
    感覚的なフレーズを入力すると、AIが画像をもとに最適な宿泊先を提案してくれる。

③ Videreo(動画を検索する場合)

  • インフルエンサーの旅行動画を視聴中に、
    画面内に映る観光地やホテルを自動で認識して
    「この場所に泊まる」「このツアーに参加する」といったリンクが出てくる。

検索が会話型となり、その一方でビジュアル型となっている。そして、こうした新しい検索体験を支えている技術こそがAIであり、変革の“イネイブラー”と言える。次のトロント政府観光局の記事にも書いてあるとおり、ますますパーソナルな旅行体験を提供し、完璧旅行の実現が進んでいる。

画像検索は、主にタビマエの旅行計画の段階、タビナカではリアルタイムで動くAR(拡張現実)となるのだろうか?

 

8. Destination Toronto、AI アシスタント6ix 開発

Destination Torontoは、AIチャットアシスタント「6ix」を導入し、旅行者の質問にリアルタイム対応。現在は主にウェブ上で利用されているが、InstagramやWhatsAppなどのSNS連携での活用拡大を目指す。利用者の具体的な質問から新たなコンテンツ戦略を構築中で、今後は会場や施設との連携や、行動データの分析も進める方針。AI導入は組織全体での活用も視野に入れている。

 

DMOは、財政難であると聞いているので、AIアシスタントの開発費費をどのようにして工面したのだろうか? 地方政府の補助金、観光税、共同開発事業者からの出資、などから資金を捻出したのであろう。利用者の会話から情報をかき集めて、パーソナルな観光体験を提供するという計画が素晴らしい。

 

同じことを、メタサーチがやっている。「18. Kayak、旅行検索 新AI ツール立ち上げ」。

KayakはAI専用の実験サイト「Kayak.ai」を公開し、リアルタイム価格での会話型検索などをテスト開始。旅行者の意図をより深く理解し、パーソナライズされた検索結果を提供する狙いだという。  

将来的には、旅行習慣を学ぶAIエージェント化も目指す。「Ask Kayak」や画像認識による価格比較など、AI活用はすでに進行中である。

 

トロントの6ixやKayak.aiは、AIアシスタントである。つまり人の指示で動く情報提供やタスクの補助をしてくれる受動型である。それに対してAIエージェントは、自ら判断して動く、複数のタスクを連携した自律的に実行する能動型である。

旅行業界におけるAIアシスタントとAIエージェントの開発スピードは、今週のニュースにもあった通り、今、 アシスタント型が急速に普及しつつあり、それを土台にしたエージェント型への移行が水面下で加速している状況だ。

(編集人)

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